交渉の正常化を目指して:東京都労働委員会からの最新情報
2023年11月に開始された東京都労働委員会事件が、ついに命令に近づいています。2025年8月1日に期日が開催され、労働委員は包括的和解に向けた協議開始の可能性を踏まえて、残りの2件の裁判(賞与減額訴訟と不当解雇訴訟)の和解状況についても確認しました。包括的和解が実現すれば、組合と会社が同様の問題の再発防止に合意するなど、柔軟な条件設定が可能になります。しかし、賞与減額訴訟の和解交渉はたった今始まったばかりで結果は不透明です。さらに、不当解雇訴訟は和解段階にすら至っていません。そのため、包括的和解は見送られ、東京労働委員会内での個別和解に注力する方針へ転換されました。組合は、和解が成立しない場合に備えて、労働委員に対し命令発出手続きを予定通り継続するよう要請しつつ、和解案の提示に合意しました。現在の団体交渉が不健全な状態に陥っている主な原因は、次の2点です:- 会社側が協議に必要な情報提供を拒否し、具体的な対話ができなくなっていること
- 会社が協議前に一方的に手続きを進め、団体交渉本来の目的を無効化していること
さらに、団体交渉以外でも、社内部活が利用できる施設やサービスから組合が排除されるといった差別的取り扱いにより、組合は大きな損害を被っています。組合が求める解決の柱は、事前協議とデータ開示による団体交渉の正常化、そして社内部活と同等の施設利用権の確保です。2025年5月29日に行われた第三回期日において、会社は「思想的リーダーシップ」に焦点を当てた追加の主張と証拠を提出しました。しかし、明らかな矛盾が見受けられます。会社は現在、解雇は完全に「思想的リーダーシップの欠如」だけが理由だと主張していますが、昨年組合に送付された解雇通知書には4つの異なる理由 が列挙されています。そのうち2つはPIP(業績改善計画)期間中に対処済み、残り1つは全く言及されていません。さらに、会社は「思想的リーダーシップが不足している」具体例を一つも提示していません。実際、証拠として提出されたメールの中には、少なくとも3件の強固なリーダーシップ事例が記録されています。我々はまた、4,800件の署名を東京地方裁判所に提出し、公平かつ正義にかなった判決を求めました。この署名運動は、世間が本件に強い関心を寄せ、Googleの不当な行為に対して断固として反対していることを示しています。ご支援いただいた皆様、本当にありがとうございます!次回の裁判期日は7月11日(月)に設定されました。次回期日では原告側が正式な反論書を提出し、判事が事件に対する所感を述べる見込みです。 2025年7月3日、東京都労働関係委員会に対し2023年11月に提起した「2023年5月の集団交渉拒否」に関する救済請求についての期日が行われました。当日、労働委員は我々が提出した資料の詳細項目を最終的に検証しました。本期日にあたり、支部メンバーの参加を促し、支部から8名がオブザーバーとして出席しました。次回の期日は8月1日に予定されており、結審が行われる予定です。当日は我々も最終陳述を提出します。労働委員は、同時進行中の賞与減額訴訟と不当解雇訴訟に関する和解交渉の進捗にも関心を示しています。結審と同日に、これら裁判の現状報告を行う別途期日も計画されています。なお、裁判の展開次第では、結審終了後でも和解提案を受け入れる可能性もあります。 2025年1月に提起された報復的賞与減額訴訟は、いよいよ重要な局面に差し掛かっています。6人の原告のうち数名は、約1年にわたり社内の内部告発制度を通じて会社に調査を求めてきました。その結果、会社は原告らがRSU(株式で支払われる賞与)の一部を受け取る権利があることを認めました。米国本社は6名全員に対し、訴訟で請求された金額のおよそ半分に相当する部分支払いが7月に行われる旨を通知しました。なお、この決定には日本法人は関与していません。5月29日に行われた第2回期日では、実質的な議論はほとんどありませんでしたが、会社側の弁護士が意外にも「この機会に和解を図る」ことを提案しました。そのため7月24日に和解期日が設定されました。会社は集団交渉の場で賞与算出式の開示を頑なに拒否していますが、現在は裁判所からの説明要求により、法廷で算出式を提示せざるを得ない状況に追い込まれています。米国本社が返金を決定したこと、そして会社が算出式を開示できないことの両方が、この和解提案の背景にあると見られています。しかし、7月2日に原告らは再び米国本社から直接、支払手続きに関する連絡を受けました。これは日本法人と米国本社との間に全く協調が取れていないことを浮き彫りにしています。原告側は、請求金額の全額支払いだけでなく、謝罪と再発防止策も求めています。日本法人が交渉を主導する権限すら持っていないのではないか、という懸念も高まっています。我々はまさに転換点に立っています。会社内部の問題を乗り越えて、全面的な解決を認めさせるためには、世間の支援が不可欠です。引き続き署名活動へのご協力や期日への出席など、皆様の応援を心からお願い申し上げます。